Aumann の同意定理
"自分と意見がちがう人は自分とは違う本を違う順序で読んだだけ"
分割に順序関係を入れる:
$ P \leq Q \iff (\forall p \in P.\ \exists q \in Q.\ p \subseteq q)
たとえば、$ \{\{1\}, \{2\}, \{3\}\} \leq \{\{1, 2\}, \{3\}\}
結び$ \cup と交わり$ \capが定義される:
結び (finest common coarsening) は、Pの要素pと異なるQの要素qでp, qが共通部分を持つようなものについて和集合を取る、それと共通部分を持つPの要素p'を取ってきてそれと和集合を取る、それと共通部分を持つQの要素q'を取ってきて…という操作をジグザグにくりかえしていくと作れる。
$ \{ \{1, 2\}, \{3\}, \{4\}\} \cup \{\{1\}, \{2,3\}, \{4\}\}
は、
$ \{1,2\}と$ \{2,3\}の和集合を取って、$ \{1, 2,3\}となり、結果$ \{\{1, 2,3\}, \{4\}\}になる。
もとの集合をXとして、結びの単位元は map (\x -> {x}) X で与えられる。
交わりはおそらく、「Pでどの分割に属しているか」p「Qでどの分割に属しているか」qを両方聞いて、「p,qのどちらにも属するもの」「pだけに属するもの」「qだけに属するもの」「どちらにも属さないもの」の4つの新しい分割を作れば良いはず。
$ P \cap Q = \{p\cap q\ |\ p\in P , q\in Q\}
交わりの単位元は{X}
なぜAumannの共有知識の定義がLewisらの共有知識の定義と同じなのかも説明している。
以下のpdfはモチベーションがよくわからないやつ。
人狼でAumannの同意定理
Aumannの同意定理
ベイズ的に推論する主体A氏とB氏がいる。2人は同じ事前確率分布を持つとする。
その後、時間が経過し、2人は別々の経験をし、知識を得る。
このとき、ある事象sについてのA氏とB氏の事後確率が共有知識であるとき、A氏にとっての事象sの主観確率pと、B氏にとっての事象sの主観確率qは等しい。
このpdfで、式の意味はわからないが式変形だけ追ってみた。
https://gyazo.com/c0fd5ed17fdc074b016b640cb0dbb945
https://gyazo.com/3e12135ce670b9b8fb51b8fe2ca2909e
https://gyazo.com/e5f778a7ce0fcb04a2ba05a322d1dcd0
qについての同様になるためp=q
→共有知識のpdfでの定義とAumannの定義が同値であることの証明。
事象を可能世界の集合とする。サイコロを例にすれば、$ \{1, 2, 3, 4, 5, 6\}の部分集合を事象とすればよいか。
A氏とB氏のそれぞれに分割$ P_1, P_2が対応する。
この分割は、同じ分割の要素同士が、人が同じ命題で条件付けすることを表す。
分割Pの要素で世界wを要素として含むものを$ P(w)と表す。
すると、A氏の世界wにおける事象sの主観確率は事前の$ \mathrm{prob}(s|P_1(w))と等しい。
つまり、サイコロの例で言えば、最初は全部1/6というところから2人が出発し、2人はサイコロについて、「偶数/奇数?」「2より大きい?」「3で割ったら何になる?」などの別々の質問を用意しておく。
偶数か奇数かだけを聞いた人の知識状態は、$ \{\{1,3,5\}, \{2,4,6\}\}という分割で表される。
というような状況か。
A氏とB氏の分割の結び$ P_1 \cup P_2を、$ P_\astと呼んでおく。
つまり、A氏が「1かそうでないか」B氏が「3で割ったら?」と聞いたなら、
$ P_1 = \{\{1\}, \{2,3,4,5,6\}\}
$ P_2 = \{\{3, 6\}, \{1,4\}, \{2, 5\}\}
$ P_\ast = \{\}
となる。
そこで、E(p, q, s)を、A氏が事象sに確率pを割り当て、B氏が事象sに確率qを割り当てる世界の集合とする。
つまり、
E(p, q, s) = { w : p = prob(s | P₁(w)) and q = prob(s | P₂(w)) }
と定義する。
A氏が「偶数? 奇数?」B氏が「2より大きい?」と聞いたなら、
E(1/3, 1/4, 「3で割って1になる」) = {3, 5, 4, 6}
E(1/3, 1/2, 「3で割って1になる」) = {1,2}
となる。
$ w_@を現実世界としたとき、$ P_\ast(w_@) \subseteq E(p, q, s)ならば、sについての確率p, qが (現実世界において) 共有知識であると言う。
$ P_1(w_1) = P_1(w_2), P_2(w_2) = P_2(w_3), P_3(w_2) = P_3(w_3)
のような系列$ w_1,w_2,w_3がある時、w_1からw_3に到達可能という。
wからvに到達可能なのは、$ w \in P_\ast(v)のときそのときに限る。
よって、$ P_\ast(w_@)は現実において共有知識である。